19世紀後半、身元確認の手段として発見された“指紋”が与えた知られざる衝撃。指紋を残す「幽霊」たち、指紋捜査に冷淡な名探偵ホームズ、指紋採取に対する市民の嫌悪感情ー。社会問題からオカルトまで歴史の謎めいた諸断片を渉猟し、近代的主体の変貌を鮮やかに描き出す逆説の身体ー社会論。
第1章 幽霊の身元確認/第2章 死者の身元確認/第3章 犯人の身元確認/第4章 痕跡の身元確認/第5章 市民の身元確認/終章 「私」の身元確認
橋本一径(ハシモトカズミチ)
1974年生まれ。東京大学文学部宗教学・宗教史学専修課程卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員などを経て、現在、愛知工科大学専任講師、武蔵大学兼任講師。東京大学博士(学術)。専攻は表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)